11月17日(水)「大和言葉」

「大和言葉」は、漢語や外来語に対し、奈良時代以前からあった日本固有の言葉(和語(わご)をさします。

古くは和歌や上流階級の女性が使う雅語(がご)をいいました。


 夜空に浮かぶ「月」に関係する大和言葉に、「立待月(たちまちづき)」「居待月(いまちづき)」「寝待月(ねまちづき)」があります。

それぞれ旧暦の17、18、19日の月を指します。


 夫婦で同居せず、夫が妻の家を訪ねていた時代、夫が訪れるのを今か今かと立って待っている時に昇る月が「立待月」です。

月の出が遅くなると座って待っているので「居待月」、さらに遅くなると寝て待っているので「寝待月」といいます。


 また明け方近くになっても残っている月を「有明(ありあけ)の月」といいます。百人一首で有名な「今来ん(いまこん)と 言ひ(いい)しばかりに 長月(ながつき)の 有明の月を 待ち出(い)でつるかな」の意味は、「あなたが今来ると言ったばかりに、秋の夜長を有明の月が出てくるまで待ってしまった」です。

待つ女性の心情が切なく詠(よ)まれています。


 大和言葉には日本の古くからの文化や伝統が隠れています。大和言葉に親しみを持ち、伝統文化の奥床(おくゆか)しさを味わいましょう。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養11月17日(水)「大和言葉」より

<今日の心がけ>
伝統文化を味わいましょう