11月19日(金)「木曽路」

自然が好きでドライブが趣味のEさんは、家族で度々、ドライブに出かけます。
紅葉の時期、Eさんは木曽路を走る計画を立てました。


 「木曽路はすべて山の中である」という、島崎藤村の名作『夜明け前』の冒頭の言葉をふと思い出したからです。

 Eさんは早朝に都心を出て、高速道路を降り木曽路に入りました。木曽川や鉄道に沿いながら峠を越え、深い谷を抜けて行きました。

すがすがしい空気と鮮やかな紅葉の中を悠々と走りながら、藤村の言葉をかみしめていました。


 木曽路は中山道(なかせんどう)の一部で、長野県木曽郡の一帯を指します。中山道は江戸時代の五街道の一つで、江戸と京都を結びます。

 太平洋側を通る東海道に比べ、峠や山道の多い中山道は宿場が69ヶ所もあり、そのうち木曽路には11ヶ所あります。

Eさんはその一つの妻籠宿(つまごじゅく)に立ち寄り、当時の人の道中の苦労や楽しみを思い、賑わいを想像したのでした。


 現代の交通の発達に、便利さとありがたさを感じたEさんです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養11月19日(金)「木曽路」より

<今日の心がけ>
歴史に思いを馳せましょう