12月17日(金)「皇帝は南向きに座す」

Dさんはある日、食卓で子供たちに「ご飯と汁物を置く位置には、決まりがあるんだよ」と言いました。

すると、「どうして?」と聞かれ、返答に困りました。


 幼い頃に両親から躾(しつけ)として「ごはんは左、汁物は右」と教わり、Dさんは大人になるまで何も疑問に思わずに、そのスタイルで食事をしてきたからです。

 調べてみると、一説では、中国の古典に根拠があるようです。

皇帝は南向きに座って天下を治めると記されています。

皇帝からみて左側(東)から太陽が昇るので、沈む西より尊重され「左上位」の考えが誕生し、日本に伝わりました。


 日本では、神聖なお米が食事の中で上位と考えられていたため、左に置くようになったことや、ご飯の奥に汁物を置く地域があることを知ったのです。


 さらに世界に目を向けると、右上位が標準である国や地域が存在するなど、国や地域によって違いがあることも学びました。

 子供の疑問をきっかけに新たな学びを得たDさん。何気ない所作にある本来の意味を理解し、状況に応じた対応ができるようになりたいと決意しました。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養12月17日(金)「皇帝は南向きに座す」より

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