2月21日(月)「パン祖(そ)」

主食やおやつとしてパンを食べる人は多いでしょう。

日本にパンを広めたのは、江戸時代後期に活躍した、伊豆(いず)韮山(にらやま)代官の江川太郎左衛門英龍(えがわたろうざえもんひでたつ)だといわれます。
 英龍は、鉄を溶かして大砲を作る「韮山反射炉」を幕府の命を受けて造った人です。

外国船の来航に国難を感じていた英龍(ひでたつ)は、国を守るため、長崎で蘭学と近代砲術を学び、伊豆の韮山で砲術塾を開設するなどしました。


 パンは室町時代に、ポルトガルから鉄砲と共に伝来していましたが、江戸時代に鎖国をしたため、長崎の出島でそこに住む外国人のみに作られていました。


 英龍が焼いたパンは、軍用の保存性があり携帯できる水分の少ない硬いパンでした。

貯蔵用のパンとしても重宝され、全国に広まったことから、昭和28年に全国パン協議会が英龍を「パン祖」として顕彰したのです。


 伊豆の国市(くにし)では、その功績を称える「パン祖のパン祭り」が開催されています。


 日本には、世界中のさまざまな食べ物があります。

その由来を調べてみると、時代背景や意外なエピソードを知ることができるでしょう。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養2月21日(月)「パン祖」より

<今日の心がけ>
食べ物のルーツを探ってみましょう