3月17日(木)「苦しい時こそ短歌を」

奈良時代の公卿(くぎょう)・歌人である大伴家持(おおともの やかもち)の「うらうらに照れる春日(はるひ)に雲雀上がり(ひばりあがり)心悲しも独りしおもへば」という短歌があります。


 これは

「うららかな陽の照っている春の日に雲雀(ひばり)が空高く上っている。私は悲しい、独り物思いをしていると」

という意味で、普通なら自然にうきうきしてしまうような陽気の中だけに、一層作者の深い憂いが伝わってきます

家持はこの歌に続けて「もの悲しい心は歌でなければ払い難い」と記しています。

憂い心を取り去るには短歌を作ることが最良の方法であると、約1300年前に述べているのです。


 なぜ短歌を作ることで憂い心を取り去ることができるのでしょうか。

その理由の1つに、短歌作りは自己を客観視する力が養われ、自己理解が深まるということが挙げられるでしょう。


 うれしい時や楽しい時はもちろん、悲しい時、苦しい時にも短歌を作ってみませんか。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養3月17日(木)「苦しい時こそ短歌を」より

<今日の心がけ>
自身を見つめ短歌にしてみましょう