3月29日「名物」

人には皆、生まれ育った故郷があり、その土地それぞれに名物があります。


 江戸時代後期に刊行された江戸の地誌(ちし)『江戸名所図絵』(えどめいしょずえ)には、多数の図版と共に、社寺や名勝などのほかに、当時の風俗や名物が掲載されています。


 たとえば、海苔は浅草の名物として有名でしたが、原料の生海苔は品川で養殖されていました。

梅干しは亀戸梅屋敷や向島百花園のお土産として人気が高く、名物を食べたり、土産物を買うことも名所を訪れる楽しみの1つだったようです。


 近年では、郷土料理とは異なって伝統にこだわらない「ご当地グルメ」なども「名物料理」として、地域興しの一端を担っています。

長い歴史を持っていないとしても、名物料理の一つひとつに歴史や背景があり、食べ方、盛り付け方、調理方法などにも独特の文化が存在します。


 名物を知ることは新しい発見へとつながり、その土地への愛着も増します。

まずは、自分が住んでいる地域や故郷の名物を調べ、地元愛を深めてみてはいかがでしょう。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養3月29日(火)「名物」より

<今日の心がけ>
土地の名物を知りましょう