7月20日(水)「流しそうめん」

Nさんは毎年夏になると、母の故郷で過ごし、その時はいつも、古い母屋(おもや)の庭先で、親族総出で流しそうめんをします。
 叔父に教えてもらいながら、まずは家の裏手の竹やぶからまっすぐな若い竹を選び、のこぎりで切り、皆で運び出します。
 それから、鉈(なた)を竹の半分になる位置に当てて、金槌(かなづち)などで叩いて縦半分に割っていきます。中心を割っていく難しさもありますが、硬い竹が半分に割れていく様子は、やってみると気持ちが良いものです。
 竹が割れたら、その中の節を金槌で叩いて取ります。取り切れない時は小刀(こがたな)も使います。そして、何本かの竹を組み立てて、ようやくそうめんを流す竹樋(たけどい)ができるのです。手間暇をかけることの楽しさを味わう貴重な経験です。
 普段は、鉈や小刀など使うことのないNさんですが、叔父に倣い、道具は丁寧かつ大胆に扱うことを学びました。来年は小学生になる子供たちにも道具の扱い方を教えて、一緒に竹樋を作ろうと思ったNさんです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養7月20日(水)「流しそうめん」より

<今日の心がけ>
手間暇をかける喜びを知りましょう