8月17日(水)「人生の岐路」

定年退職を迎えたU氏は、夏の日差しに照らされる社屋を見上げながら、勤めていた会社での日々に思いを馳せていました。
 若い頃、風景画家を志していたU氏は将来を考え、この会社に就職しました。
仕事に励む傍ら、夢を諦めきれず、何度も退職を考えたそうです。
 その悩みを父に打ち明けたところ、「本気で夢を追いたいのなら止めるつもりはない。だが、手を差し伸べてくれた今の会社に恩を返してからにしなさい」と諭されました。
 父の言葉通り、会社への恩返しができたら退職し、もう一度画家を目指そうと考えたというU氏は、「勤めれば勤めるほどに多くの恩を感じ、返しきれないまま、今日という日を迎えました」と笑顔で述べます。
 人生の岐路を振り返り、「現時点ではまだ、絵描きの夢は叶っていないけれど、恩返しのためにこの会社で働くと決めたことは、私の人生にとって最高の選択でした」と社屋に一礼するU氏の表情は、喜びと誇りに満ちていました。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養8月17日(水)「人生の岐路」より

<今日の心がけ>
選んだ道に誇りを持ちましょう