10月8日(土)「十三夜」

十三夜は「後の月」と呼ばれ、十五夜の約一ヶ月後に巡ってきます。十五夜は中国から伝わってきた風習ですが、十三夜は日本固有の風習です。
 その由来は諸説あり、平安時代の宇多(うだ)天皇が愛でたのが始まりだという説や、稲の収穫を終える頃に当たることから収穫祭の一つだったのではないかという説などがあります。
 夏の暑さが残っていて雨の多い十五夜よりも十三夜の頃は晴れることが多いため「十三夜に曇りなし」とも言われています。
 また、十五夜だけを愛でるのは「片見月(かたみつき)」と呼ばれ縁起がよくないため、十五夜にお月見をした時には十三夜にも必ずお月見をするものとされていました。
 昔の人は完全な姿の満月だけでなく、満月が少しだけ欠けた十三夜の月に趣を感じていたようです。
 日本人には、不完全なものに美しさを見出す美意識があります。そうした価値を見出だし、良しとする「侘(わび)」「寂(さび)」の精神で月を愛でたいものです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養10月8日(土)「十三夜」より

<今日の心がけ>
月を愛でましょう