10月17日(月)「私の根は何か」

東京都千代田区にある紀尾井清堂(きおいせいどう)では、「奇跡の一本松の根」展が開催中です。
 東日本大震災で津波に襲われても、岩手県陸前高田市の海岸で唯一、津波に流されず奇跡的に残った松の大木の、「根」の実物が展示されているのです。
 奇跡の一本松は復興の象徴として、保存処理を施されて現在もその姿を現地にとどめています。根の部分は、保存処理のため幹を伐採した際に分割して掘り出され、同じく保存処理を施され、同じく保存処理を施され、そのまま倉庫に保管されていたのでした。
 根は、地中の水分や養分を幹や枝葉に送る大切な役割を果たしますが、人の目に触れることは稀です。花を愛でたり、木材を加工したり、果実を食べたりしても、根のことはほとんど忘れ去られているのではないでしょうか。
 大地にしっかり根が張っていればこそ、植物は育つことも立ち続けることもできます。また根の英訳「ROOTS(ルーツ)」には、祖先や故郷という意味もあります。
 自分の根について考え、思いを馳せることは、今をよりよく生きるためにも、大切なことなのではないでしょうか。

<今日の心がけ>
自分の根について考えてみましょう

一般社団法人倫理研究所 職場の教養10月17日(月)「私の根は何か」より