11月3日(木)「秋の七草」

皆さんは秋の七草をご存じでしょうか。春の七草は、それを七草粥にして無病息災を願うのに対し、秋の七草は美しさを鑑賞して楽しむものと言われます。
 奈良時代末期に成立したとされる『万葉集』は、日本に現存する最古の和歌集です。歌人の山上憶良(やまのうえのおくら)はその中で「秋の七草」について二首(にしゅ)詠んでいます。


 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花

 萩の花 尾花(おばな) 葛花(くずはな) 撫子の花(なでしこのはな) 女郎花(おみなえし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)の花

二首目は七草を表し、萩、尾花(薄(すすき)のこと)、葛、撫子、女郎花、藤袴、最後の朝貌の花は諸説ありますが、現在では桔梗を指すと言われています。
 『万葉集』に登場する植物は「万葉植物」といわれますが、最も多く詠まれているのが、秋の七草でもある「萩」で、百四十首あまりに登場しています。
 1200年以上も前の日本人は季節の植物を歌に詠み、美しさを楽しみました。
私たちも時に公園や河原に咲く草花を見つけたり、紅葉の美しさを鑑賞したりして、心をリフレッシュさせ、張り切って仕事に臨みましょう。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養11月3日(木)「秋の七草」より

<今日の心がけ>
自然の美しさを楽しみましょう