12月5日(月)「霜柱(しもばしら)」
霜柱 ふみ荒らされて 真白に
これは、昭和期の俳人、星野立子(ほしのたつこ)が詠んだ俳句です。
冬に霜柱が見られる地方に育った人は、子供の頃、霜柱をサクサクと踏んで遊んだ記憶があるでしょう。霜柱は寒さの厳しいよく晴れた冬の日の朝に立ちます。
放射冷却現象で地表は冷え込み、特に地面は氷点下になるからです。
霜柱は土の中の水分が地表にしみ出し、それが凍結して細い柱状となり、太く育って土を押し上げながら成長したものです。火山灰を含んだ土に出来やすいので、関東ローム層と呼ばれる土が広がる関東地方などでよく見られます。
土ともに 崩れる崕(がけ)の 霜柱
これは、明治時代の歌人で俳人でもあった正岡子規の俳句です。霜柱は、ときに山腹(さんぷく)や法面(のりめん)などの崩壊をもたらすこともあるとされています。
たかが霜柱と侮ってはいけません。一方で、冬限定の和菓子のモチーフになるなど日本人の繊細な季節感を活かせる自然現象ともいえるでしょう。
一般社団法人倫理研究所 職場の教養12月5日(月)「霜柱」より
<今日の心がけ>
身近な自然に季節を感じましょう