12月31日(土)「人生は螺旋(らせん)」
神社の社(やしろ)には必ず注連縄(しめなわ)が張られています。神が依り代(よりしろ)にする巨樹(きょじゅ)や巨石などにもよく注連縄が張られています。これは麻や稲藁(いねわら)を螺旋状(らせんじょう)に編んだ縄によって、そこが神域だと知らしめる結界の役割を担っているのです。
注連縄に限らず、螺旋状のものは自然界には多くあります。サザエやホラ貝などの巻貝、海には鳴門海峡の渦潮、人の頭にはツムジがあります。洗面台の栓を抜くと水は渦を巻いて落ち、朝顔などの蔓(つる)も螺旋状に伸びていきます。
そんな螺旋を人生に当てはめた成句(せいく)に、「禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如し」があります。
禍(わざわい)が福となり、福が禍のもとになったりして、この世の幸不幸は縄を撚り合わせたように表裏をなすものであるという意味です。
たゆまず進む時間の経過に合わせて前ばかりを向いていると、過去を振り返ったり、立ち止まって方向性を見直したりすることがなおざりになってしまいます。
事実そのものには禍も福もありません。禍福は自分の心次第と心得て、一年間を振り返り、未来に進む原動力としましょう。
一般社団法人倫理研究所 職場の教養12月31日(土)「人生は螺旋」より
<今日の心がけ>
今年一年を振り返りましょう