1月29日(日)「伝統をたどる」
麻は戦前まで日本人の生活・文化を支える天然素材として、全国津々浦々で栽培され利用されてきました。
その利用先として、神社のしめ縄、相撲のまわし、茅葺屋根、弓の弦(つる)、和楽器などが挙げられ、日本文化には欠かせない植物といえるでしょう。
神事に不可欠な「精麻(せいま)」の生産を続けているのは、栃木県の麻農家だけといわれています。夏場の収穫作業の大変さ、精麻加工の手間などから、その担い手の確保が難しく深刻な高齢化が進んでいるのが要因のようです。
しかしながら近年、麻は枯渇性資源に依存しない、エコな植物として見直されています。成長が早く衣食住すべてに対応できる力もあり、麻の実はスーパーフードとして、健康や美容にも良いと関心が高まってきているようです。
一万年前から栽培され、日本の文化を支えてきた麻の加工には、先人の知恵が宿っているともいえます。職場においても、会社の歴史や理念をたどることで、埋もれかけている価値が再評価されるかもしれません。
一般社団法人倫理研究所 職場の教養1月29日(日)「伝統をたどる」より
<今日の心がけ>
先人の知恵に学びましょう