3月3日(金)「限りある命」

3月3日は桃の節句です。季節の変わり目の体調を崩しやすい時期に邪気を払う妙薬として、中国では「桃」が珍重されていました。
 桃は実を食べれば不老不死になるとされ、その起源は伝説の仙女(せんにょ)「西王母(せいおうぼ)が崑崙山(こんろんさん)にある蟠桃園(ばんとうえん)で育てた仙桃(せんとう)だともいわれています。古くから桃の花は邪気を払うとされ、葉は漢方薬として利用されてきました。
 不老不死と聞くと素晴らしいことと思われがちですが、物語では否定的に描かれることも多いようです。
 漫画家の高橋留美子宇治は『人魚の森』という作品で不老不死について描いています。不老不死になった主人公が、永遠に生き続けなければならない苦悩を語り、元の体に戻るための旅を通して、生と死について考える話です。
 限りある命だからこそ人は努力するのでしょう。永遠の時間を生きるのなら、必要に迫られず、物事の多くは完結しないかもしれません。「今」を懸命に生きることの大切さを意識したいものです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養3月3日(金)「限りある命」より

<今日の心がけ>
今を大切に生きましょう