3月5日(日)「物になる」

 「物になる」という言葉があります。これには、①物事が完成する、物事が成就する、②ひとかどの人物になるという意味があります。
 私たちの職場を見回すと、様々な大小の道具や機械、機器があります。例えば大工職人は、鉋(かんな)、鋸(のこぎり)、金槌(かなづち)、錐(きり)など多くの道具を使って仕事を行ないます。オフィス勤務であれば、パソコンや文房具などがあるでしょう。

このような、普段使っている道具の手入れを怠らず、大切に扱っていくことで、自分の腕を上げていくことができます。それを継続し、道具と心が通じて仕事ができるよう成長したとき、周囲からも認められるのかもしれません。
 このことから昔から職人の世界では、先輩が後輩に対し「あの人は将来、物になる」と、一人前になるという意味で「物」という字を使っていたのでしょう。
 特に、これがなければ自分の仕事ができないといった大切な物に、愛情と感謝を込めて、ていねいに扱うことを心掛けてみてはいかがでしょうか。
 そういったことの積み重ねで、私たちも「物になる」のでしょう。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養3月5日(日)「物になる」より

<今日の心がけ>
仕事を極めましょう