7月12日(水)「箸に始まり箸に終わる」

私たちは食事の際、箸を使います。近隣諸国でも箸を使いますが、スプーンなども併用するので、箸のみで食事をすることが多い日本は珍しいようです。
 和食では「箸に始まり箸に終わる」と言われます。箸の作法は歴史的な観点からも多様な意味合いがあり、日本人の精神に息づいた重要な道具でした。
 諸説ありますが、箸が使われ出したのは弥生時代から飛鳥時代。ピンセットのような形状で、当時は供物をつかむ祭器として、神聖なものとされていました。
 その後、二本で一対の現在の形になり、食事と自分の間に、箸を横置きするようになります。これには理由がありました。
 古来、食物には神様が宿ると考えた日本人が、神様と人との間に一線を画するために、箸を置いて結界としたともいわれています。「いただきます」と言って箸を手に取ることで、結界を解き、動植物のいのちを神様と共に頂いたのです。
 箸の歴史的背景を理解して正しいマナーで使い、感謝して「いのち」をいただきたいものです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養7月12日(水)「箸に始まり箸に終わる」より

<今日の心がけ>
感謝して食事を頂きましょう