8月15日(火)「戦地からの手紙」

目の前の仕事に一所懸命になっていると、周りのことに目が向けられず、心配りを忘れてしまうことがあります。また、仕事に集中するあまり、家庭のことがおろそかになってしまうこともあるかもしれません。
 昭和の大戦末期、防衛の重要拠点であった硫黄島の部隊を統率したのは栗林忠道(くりばやしただみち)中将でした。栗林中将は絶え間ない空襲にさらされている状況下、労役に服す妻に宛てて手紙を送りました。
 「火薬の袋張りは容易の仕事じゃないらしいね。さぞ肩も張る事だろう。ほんとにお察しする。しかしあまり無理をしないがいいでしょう」
 当初五日で落ちると言われていた硫黄島は、栗林中将の細やかな心配りと秋冬な戦略、統率力により三十六日に亘って持ちこたえたそうです。
 戦中と現代の日常を照らし合わせることは難しいものですが、どのような時でも自分の仕事にばかりとらわれるのではなく、自分を支えてくれる人や関わる人の心中をくみ取るよう努力したいものです。

一般社団法人倫理研究所 職場の教養8月15日(火)「戦地からの手紙」より

<今日の心がけ>
周囲に心を配りましょう