10月20日(金) 原動力

戦後の沖縄県にあって、住民の心の支えとなった一人に、小那覇全孝(おなはぜんこう)氏がいます。歯科医だった氏は、琉球芸能の達人でもありました。

小那覇氏は、家族を失い深い悲しみに打ちひしがれる人々の家に、三線(さんしん)を持って出向き、「命のお祝いをしよう」と呼びかけました。

当然、地域住民からは「こんなに辛い状況の中で、お祝いとはどういうことだ」と厳しい言葉を投げつけられます。

しかし小那覇氏は、「亡くなった家族は、私たちがいつまでも暗い顔をしていて喜ぶだろうか。今ある命を喜んで、祝い、懸命に生きてこそ、復興していける」と慰め、三線を弾きながら、住民とともに歌い、踊ったのでした。

悲しみに共感するだけでなく、故人が迎えることのできない今日を受け継いでいる私たちだと、人々を励ました行動は、地域の人々の支えとなりました。

多くの尊い命が受け継がれて今日があります。当たり前の日常生活が送れることに感謝し、活力溢れる1日を過ごしましょう。



今日の心がけ◆今ある命に感謝しましょう