11月8日(水) 秋の慣用句

皆さんは「小春日和」と聞いて、どの季節をイメージするでしょうか。

「小春」は陰暦における10月の異名(いみょう)です。鎌倉時代の随筆集(ずいひつしゅう)『徒然草(つれづれぐさ)』の文中には「10月は小春の天気」との記述があります。

「小春日和」は、晩秋から初冬の間に訪れる、春のように暖かく穏やかな日を示し、類似表現には「小春日」「小春空」などがあります。

文化庁では国語意識の現状を把握するため、「国語に関する世論調査」を行なっていますが、平成26年度の調査で「小春日和」が取り上げられました。

その結果、「春先の頃の、穏やかで暖かな天気」と誤答した人が全体の4割以上を占めました。中でも10代後半に至ってはゆうに6割を上回ったのです。

最近の調査では「一時しのぎ」を意味する「姑息(こそく)」の意味に「ひきょうな」を選んだ人が7割強で、正答は2割未満。「惜しいと思うものを手放す」の意味である「割愛」は「不必要なものを切り捨てる」との誤答が目立ちました。

日頃使っている言葉の意味を、改めて見直す必要があるかもしれません。

今日の心がけ◆言葉を正しく使いましょう