5月13日(月)  剣豪の敗北

剣豪として名を馳せた戦国武将の一人に柳生宗厳がいます。柳生家一門の間でも「当家の宝」と言われるほど剣術のセンスに秀でており、当時流行していた様々な流派に学んで、メキメキと腕を上げていきました。
 

ところが、宗厳が35歳の時、ある人物と対戦して初めて完敗します。その人物とは、「新陰流」の開祖として知られる剣聖の上泉信綱です。
 

握っていた刀を奪い取られてしまうほどの圧倒的な実力差で負けてしまった宗厳は、その場で信綱に弟子入りを志願します。そして改めて一から剣技を鍛えなおし、二年後には師から免許皆伝を受けるまでに上達しました。
 

宗厳の成長の要因は、信綱との勝負に負けたことで、剣術にすべてを捧げていたかつての自分の姿を思い出したことにあります。そして、生来の能力に甘んじていた自分を省みて一心不乱に鍛錬を重ね、技により磨きをかけたのです。
 

人間の真価は、負けた時や失敗した時にこそ問われます。負けや失敗は、自分を成長させてくれる貴重な体験だと、日頃から肝に銘じたいものです。



【今日の心がけ】

負けや失敗から学びましょう