6月5日(水) 雨の歌
新緑の季節が過ぎると、長い梅雨の時期がやってきます。
毎年この時期がくるたびに、憂鬱な気分になる人もいるでしょう。しかし、雨が降り続く情景をよく見つめていると、梅雨にも良い部分があると気づきます。
うちしめり あやめぞかをる ほととぎす 鳴くや五月の雨の 夕暮れ
作者は鎌倉時代の歌人である藤原良経です。「空気がしっとりと湿って、その中を菖蒲が香っている、ほととぎすが鳴く五月雨の降る夕暮れ時よ」。
菖蒲は雨が降ると、より一層美しさを増して咲き誇ります。その葉は端午の節旬に、ヨモギと一緒に束ねて風呂に入れる「菖蒲湯」として古くから利用されてきました。
ほととぎすは春から夏にかけて日本にやってくる渡り鳥で、梅雨の時期に、その鳴き声がよく聞こえてきます。風物詩として初夏の代名詞にもなっています。
梅雨の時期しか味わえないものがあります。雨の多い時期だからこそ味わえる、美しい光景に目を向けてみましょう。
【今日の心がけ】
梅雨の良さを発見しましょう