6月11日(火)  シアトルの日本酒

東日本大震災の後に帰還困難区域に指定された福島県双葉町で、造り酒屋の富沢酒造店は、伝統の地酒を300年間造り続けてきました。
 

酒屋の人々は避難生活を続けながら再建の地を求めて日本中を回るも、日本酒の複雑な規制の壁が立ちはだかり、その地を見つけることができずにいました。
 

そんな中、物産展を目的に訪れたアメリカのシアトルに活路を見出したのです。前例のない異国での再出発は、不動産の契約、酒蔵の建造、ビザや事業ライセンスの取得、原料の調達などに想定以上の時間と労力を要しました。
 

そして、13年の歳月をかけてシアトル産の日本酒が出来上がったのです。地元のブドウの酵母の影響が、ほんのりと白ワインに似た仕上がりとなり、併設したテイスティングルームには、多くの地元客が訪れています。
 

アメリカでの日本酒の人気の後押しに加え、日本酒造りに関心を持つアメリカ人が増えることも期待され、業界に新たな扉を開いた事例といえるでしょう。
 

環境の変化を新たな挑戦の機会とし、大胆に活路を切り開きたいものです。



【今日の心がけ】

変化をおそれず新たな挑戦をしましょう