2024年10月31日(木) 息子のおさがり

冬の訪れを感じるようになったある日、Y子さんは冬用のコートをクローゼットから取り出しました。それは長男が中学生の時に着ていたものです。

長男が中学校に入学して半年が経った頃のことです。そろそろ通学用の冬のコートを購入しようという話になり、休日に二人でデパートに行きました。

売り場を見回すと、様々なタイプのコートが所狭しと並べられていました。Y子さんは長男に、「どれがいいの?欲しいものを選んで」と声をかけました。

すると、しばらく考えていた長男は、「3年間ですぐにサイズが合わなくなってしまうから、少し大きめのものを買おうかな。中学校を卒業したらお母さんにも着てほしいから一緒に選ぼうよ」と言ったのです。

息子の優しさと気遣いに胸が熱くなったY子さん。息子は一緒に選んだコートを着て通学し、卒業後は「おさがり」として譲ってくれたのでした。

今でもY子さんは、コートを羽織るたびに温かな気持ちになるといいます。時には、物に込められた思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。



【今日の心がけ】

物に込められた思い出を振り返りましょう