2025年6月5日(木) 月桃(げっとう)

5月から6月にかけて、九州南部や沖縄では月桃(げっとう)が開花の時期を迎えます。

ショウガ科の月桃は、甘く強い香りが特徴で、花の形状は蘭に似ており、花弁の中央の一枚が大きく、ふちにフリルのようなひだがあります。

月桃の葉からは精油や蒸留水が得られ、石けんやシャンプー、化粧品、エッセンシャルオイルなどの日用品に活用されています。

抗菌・防腐作用もあることから、沖縄県では、味付けした餅をその葉に包んで蒸し上げる「ムーチー」としても親しまれています。その独特な甘い香りのついた餅は、今も郷土料理として受け継がれています。

また、沖縄県の本土復帰十年にあたる年に作詞・作曲された「月桃」は、県内の学校などで歌われており、沖縄戦で亡くなった人々を慰霊し、戦争を二度と起こさないという思いが歌い継がれています。

各地に自生する植物に関心をもつことは、時代を超えて、その土地に住む人と心を通わせる機会につながるはずです。

今日の心がけ◆ 郷土の植物に親しみましょう