2025年7月3日(木) 鳥霊信仰

海や山など自然に親しむ機会が増える季節となりました。

日本には多くの野鳥が生息しています。雀や鵯、鴎といった身近な野鳥から、梟、白鳥など、水辺から山の野鳥まで600種類を超えると言われています。

古代の日本人にとって、野鳥は信仰の対象でもありました。空を飛ぶ鳥を畏敬し、神の使いと捉え、死者の霊魂を運ぶと考えられていました。さらには、死者の霊魂は鳥となって大空を自由に飛翔すると信じられていました。

『古事記』には、ヤマトタケルが亡き後、白鳥となって飛び立ったという逸話があります。また、『日本書紀』には仁徳天皇が誕生する際に産屋に木菟が飛び込む話があります。これは木菟が魂を運んできたことを表わしているとされています。

古代の人々は、目に見えるものだけが実在するのではなく、見えないものに本質があると考えていたようです。目に見える現象にとらわれることなく、現われてこない本質をも見抜く力を持ちたいものです。

鳥のように広く羽ばたき、広い視野で物事を見つめましょう。

今日の心がけ◆ 見えないものを大切にしましょう