2025年10月21日(火) サツマイモ

秋が深まるこの季節に旬を迎える食材のひとつが、サツマイモです。

寒い時期に食べる焼き芋やスイートポテトなど、サツマイモは美味しいだけでなく、かつて飢饉の際に人々の命を救った「救世主」としての歴史があります。

日本列島にサツマイモが初めて伝わったのは、江戸時代初期の沖縄だとされています。沖縄本島中部に位置する北谷町の野國總管(のぐに そうかん)という人物が、1605年に中国から持ち帰ったと伝えられています。

当時、「甘藷」と呼ばれていたサツマイモは、食糧不足に苦しむ沖縄の人々にとって貴重な作物となり、後に鹿児島を経由して本州へと広まっていきました。

また、野國總管と共に、サツマイモの栽培技術を沖縄全土に普及させた儀間真常(ぎま しんじょう)の功績も忘れてはなりません。彼らの物語は、今も沖縄県内の小学校で児童劇の題材として取り上げられるなど、地域の歴史として大切に語り継がれています。

日常的に口にする食材にも、こうした深い歴史や人々の思いが込められています。その背景を知ることで、より味わい深く感じられるかもしれません。

今日の心がけ◆ 身近な食物の歴史を調べてみましょう